[1990年代の台湾] 縁起のよい色は赤。お年玉袋も赤だが、路上に落ちているのは冥婚用

台湾では赤色が吉祥の色と定義されていて、祝い事の席には何かと赤い装飾が施され、台湾人も赤色を含んだ服装を好む傾向がある。

めでたい=赤色、そう思っていて間違いはないのであるが…

お正月やめでたい席に赤色は欠かせない

台湾の御年玉は赤い封筒で一般に『紅包』と呼ばれる。

その言葉の由来は御年玉の袋が赤いことからきている。台湾では赤色はおめでたい色とされている。

縁起を担ぎに訪れる人々の信仰を集める廟の基本色は赤だし、おめでたい席に真赤な服を着る女性がいる。赤ければ赤いほど良いのではないかと思われるほどである。

紅白も縁起の良い色なのだろうか

日本では紅白が縁起ものだが、台湾ではあくまでも赤のみが吉祥色。

白はどちらかと言うと縁起のよくない色になる。街を走る車に目を遣ると、ボディーカラーが白色の車はあまり見当たらない。

来日した台湾人は日本で白い車が多く走るのを見て、軽度のカルチャーショックを受けるらしい。

赤い封筒の『紅包』は多目的

前出の『紅包』は御年玉以外にも多く見かける。

入学祝いや引っ越し祝い、出産祝いなどのときに、お金を包んで相手に渡す。

そればかりか、お礼にお金を包んで渡すときにも使ったりする。

法律違反だが、賄賂も含む。

ただし、金額がかさんで袋に入り切れない場合には菓子折り等のケースにお金を詰め込むらしい。

とにかく、赤い袋は季節を問わずに見かけることが多い。

路上に落ちている赤い封筒は冥婚用

さて、路上に『紅包』が落ちている。

中には本物のお金が入っている。

周囲に人はいない。

でも、落とし物だからと気軽に拾ってはいけない。

ましてやポケットにねじ込むのはもってのほか。

それは落とし物でも忘れ物でもなく、わざとそこに置かれたもの。

『紅包』は結婚の御祝儀としても使われる。

普通の婚姻ならば、しかるべき人に手渡すのだが、それができない場合には路上に置いて拾い主が現れるのを待つ。

ほとんどが未婚のままこの世を去った娘の両親が置いたものである。

そして、彼女の嫁入り先は拾い主の許。

冥婚と呼ばれるものである。

拾えば、婚姻に同意したことになる。

見掛けることはほぼないと思われるが、万が一、間違って拾い上げたなら、またそっと置いてあげればよい。

このような風習の裏には子供を想う親心があると思うと複雑な気持ちになる。 そっと見守ってあげたいものである。