日本の正月に台湾に行くと、カウントダウンをしたり、新年を祝う花火が上がったりはするが、すぐに平常通りの生活に戻ってしまう。
台湾にとっての本番の正月は、旧暦や農歴に基づく旧正月である。
この旧暦の年末年始は、台湾人にとって、家族が集う大切な時間であり、休みの期間も相当長くとられている。
年末が近づくと台湾も忙しくなる
新年を迎える前の準備に忙しい
台湾では様々な行事は旧暦(農歴)で執り行う。
旧正月と呼ばれる正月ももちろん例外ではない。
年末になると、皆そわそわし始め、どうも気ぜわしい。
大掃除や、正月料理の食材の買い出しに、新年を新たに迎えるために服や家財道具を新調する。
年末の需要の高まりに合わせて、商店ではセールを行って、顧客の争奪戦が繰り広げられ、街は賑やかさが一段と増す。
正月の前に結婚式?
そして、合間を縫って友人や知人の結婚式にも参列しなくてはならない。
何故、忙しいこの時期に式を挙げるのか。
それを説明する諺がある。
『有錢沒錢聚個老婆好過年(金のある人もない人も妻を娶って楽しい正月)』
台湾では古来より年末は結婚シーズンと相場が決まっているらしい。
きっと新年には何でも新しいのが吉祥なのだろう。
旧暦の大晦日の数日前から休業と渋滞が始まる
多くの店の休業に旅行者は注意
台湾も日本同様に正月前後は長期休暇になる。それはそれでとてもおめでたいことなのだが、行き場を失う旅行者が多くなるのもこの時期かと思われる。
それもそのはずで正月には商店やレストランで働く人も皆が帰省して実家で過ごすことになるので、帰省に合わせて正月の数日前から店は休みということになる。
この時期の街は、商店はシャッターを下ろしひっそりとしているのだが、道路だけは渋滞しているといういつもと違う光景が広がる。
それでも、旅行者は食事をしなければならないが、選択肢はかなり狭まる。ホテルのレストランやコンビニが頼りになるくらいで、他に開いているレストランがあればラッキーと思った方がよい。
旧正月前には帰省ラッシュ
日本の大晦日にあたる台湾の『除夕』には『團圓』と言って、家族一同が寄り集まって円卓を囲んで食事を共にする習慣がある。
また、大晦日の紅白歌合戦や、ゆく年くる年という番組はないのであるが、皆のおしゃべりに花が咲くので、とても賑やかな夕餉となる。
この時には、台湾各地や海外にいる家族が実家に集い、新年を祝う。
そんな大晦日の一家団欒を楽しみに郷里に帰る車列で、高速道路は渋滞になる。
なお、既婚者について、年末年始は夫側の実家に行き、正月二日目は妻側の実家に行くのが習わしである。
爆竹と盗難防止の警報音で迎える正月
台湾の爆竹の威力
台湾で正月等の祝い事に爆竹は付きものである。但し、その爆竹は導火線によって何十、何百もの爆竹が連なっていて、火をつけると次から次へと爆竹が連続して破裂していく。
そんな爆竹が毎年、旧暦一月一日午前零時を迎えると、一斉に新年を祝って至る所で乾いた破裂音が途切れることなく鳴り響く。すると、爆竹のはじける音に近くの車が反応して、盗難防止器のけたたましい警報音があちこちから聞こえてくる。
ロケット花火の飛び交う公園
丁度その時刻に台中公園(中山公園)に行ったことがある。
公園には池があるのだが、その池を挟んで大勢の若者が対岸へロケット花火の乱射をしていた。
しかも一度に2,30発をまとめて連射できる発射台があり、もはやロケット花火と言うより武器に近い。
池の周りの散歩道を歩く通行人ももちろん巻き添えを食らう。
ロケット花火が顔をかすめ、足元で破裂したりする。
赤い袋のお年玉袋
ことのほか賑やかな夜が明けると、子供達が待ちに待った御年玉が貰える朝を迎える。
お正月の挨拶は、お年玉の催促
日本なら、「はい、これ御年玉だよ。」とたいてい大人から先に差し出し、子供は少し照れながら貰うのだが、台湾では様子が違う。
子供が大人の顔を見るなり寄ってきて、『新年快樂,恭喜發財,紅包拿來(新年明けましておめでとうございます。かなり儲けましたね。さあ、御年玉を下さいな)』と手を差し出す。
国境をひと越えすれば、遠慮は美徳なんてもう通用しない。
なんと厚かましい子供らだろうと思ってはいけない。
これが新年の挨拶の言葉である。
成人した子供は両親にお年玉をあげる
しかも、子供たちが成人して社会人になったら、正月には年老いた両親に御年玉をあげなければいけなくなる。
両親が年老いて稼げなくなったら、子供は助けるのが通例であるとされる。
それは、台湾では年金制度がないという理由もあるが、親は親で素直に喜んで受け取っている。
きっと子供の成長を、目を細めて喜んでくれている親が多いに違いない。
正月気分は小正月まで
台湾の旧正月は各家庭に一家一同が集まって賑やかになるだけでなく、街も獅子舞が練り歩いたり、爆竹が鳴り響いたりで賑やかである。 この正月の盛り上がりは、旧暦1月15日の小正月まで続く。
再生時、音量注意
現在、台湾でも年金制度が成立したが、支給額はそれほど高くはない。