[1990年代の台湾] 台湾で三食にありつくには

日本を飛び立ち、よその国に降り立つと、まず気になるのは食事の問題だ。

団体旅行なら目をつぶっていても食事にありつける。しかし、個人旅行ではそうはいかない。

慣れない土地ではどこで何を食べられるのか皆目見当が付かず、途方に暮れることもある。

もちろん豪華ホテルに泊まり、お金をふんだんに使えれば、何一つ不自由はない。ホテル内で全て事足りてしまうのだから。

しかし、贅沢をすれば予算オーバーする場合やホテルのレストランでは飽き足らない場合、三度の食事の問題は大きい。

朝食

田舎町でも交差点や路地裏で朝早くから『早餐店』(朝食を売る店)が店を出す。多くは屋台で、家の軒先で営業している店もある。

但し、昼や夜と違って朝食を売る店は少ない。そうかと言って、パン等を買い置きして翌日食べて「過信と不注意で食中毒に」のようにならないように留意したい。

なお、朝食のお店が少ないと言っても、ホテルに滞在する場合、朝食込みが多いので、それほど気にしなくてもよいと思われる。

台湾の典型的な朝食

豆乳と『油條』と呼ばれる中国風の揚げパンを売る店や、『蛋餅』と言う食感がクレープ風のねぎ入り卵焼きを売る店がある。

お粥でもお薦めは廣東粥

お米をじっくり一晩中かけて、米粒が見えなくなるほど煮込むと、モチモチ食感のおいしいお粥が出来上がるが、大変な作業で敬遠されがちなのだろうか。実際に見て回るとお粥を売る店は少ないように思う。

但し、お粥を売る店があったら、是非お粥を食べることを勧める。

特に『廣東粥』の看板を出す店では、レパートリーも多く、『皮蛋』(あひるの卵)等の具材が入ったお粥が出てくる。しかも、だしが効いていて『清粥』と呼ばれる日本で病気のときに食べるような白粥とは訳が違う。

台湾おにぎり

台湾風のおにぎりである『飯糰』は、肉そぼろ、ゆで卵、台湾の漬物、前述の油條等の具材がもち米ご飯に包まれ、ビニール袋に入れられて手渡される。

しっかりしたもち米の食感とカリカリした油條がいいアクセントになっている。

ビニール袋に入ったおにぎりを握りながら食べるのは斬新である。

パン食もあり

台湾は、喫茶店も多く、パンにコーヒーも頂ける。手っ取り早くファストフードなら、マクドナルドなども多いので、便利である。

昼食

選択肢が多い反面、客も多いので、素早く決めるのが無難

台湾の商業施設のほとんどが午前11時からオープンすることは「台湾の道路状況」で少し触れたが、昼食時には町の食堂やレストランが活気だって来る。

選択肢は広く、喫茶店等の『商業午餐(ビジネスランチ)』や、「素食を食べれば、肉食なしの生活もできる」で言及した精進料理や、デパートに入る飲食店も利用できる。

現地デパートのフードコートもお薦め

台湾資本のデパートではいくつものブースに飲食店が入ったフードコートの形態であることが多く、それはさながらデパートの中に形成された屋台街である。

サンプルなしの入りづらい店が多いかも

なお、町中の一般的な食堂やレストランも含めて、台湾の飲食店には入口前にサンプルがなく、ましてや値段すら表示していない店が多いので、何をいくら位で出す料理店かは看板や店の様子などから予め推測しておいたほうがいい。

満席と休憩時間に注意

昼食時には瞬く間に満席になる店も多いので、昼前に余裕をもってどの店で食べるかを決めておく方がよい。

なお、ランチタイムを過ぎると、夜まで休憩時間で営業しない店が多いので注意したい。

夕食

夕食は一日で一番選択肢が広がるので、心配はいらないと思われる。

昼食を出す店は夜も営業しているし、前出のデパートの屋台街も利用可であるし、夜市に繰り出すのも手だ。

夕食は町の散策ついでにじっくりと時間を掛けて自分だけの店を見つけたい。きっと気に入る料理と店を発見できるだろう。

ファミレス、コンビニという選択はどうか

日本でポピュラーなファミリーレストランは台湾にもあるが、店舗数はまだ少なく、探す手間を思えば地元の料理屋に入ったほうが早い。

また、時間に関係なく24時間いつでも利用できるのが、コンビニエンス・ストア。封を切ってすぐに食べられる弁当や惣菜は日本のように揃っていないが、日本風のおにぎりやホットドックや肉マンなど手軽に食べられるものは何かしら置いてある。

台北、高雄、台中、台南、花蓮、台東等以外の零細都市の場合

名前の聞き慣れない小さな町を旅するときにいつもそう思う。

そこで最近は一番横着だが、安全確実な方法を採っている。

台湾は小さな町でも駅さえあれば、たいていの駅前にはホテルがある。そういったホテルにあるレストランを利用すること。

日本同様、宿泊客以外でも利用できる。できれば三流ホテルに入っているレストランが安価で宜しい。

ホテルを使えば便利だが、夢もロマンもないのも事実なので、最後の最後まで決めかねない場合に限り、この手を使ってみるのもいいと思う。

番外編

さて、私と違って夢もロマンもある友人の一人が台湾に来て間もなく、所持金を使い果たして文無し同然になってしまい、修業僧が泊まる比較的大きな、謂わば禅寺に寝起きし、食事にありついたという話を聞いた。 彼は宿泊先も三度の食事の問題も一挙に解決してしまうという快挙を為し遂げたわけだが、あまねく誰にでも勧められる方法ではないが。

現在、大戸屋や松屋、回転ずしチェーン等の日本のチェーン店の他にも、スターバックスも台湾に既に進出済みで、日本と同じように利用できるようになった。しかし、せっかく台湾に行くのなら、現地のお店を大いに利用したい。また、値段表示する飲食店も増えたので、安心して利用できる。

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