[1990年代の台湾] 台湾流風邪対処法

台湾に来た当初、2ヶ月に一度くらいは風邪を引いた。確かに幼少の頃からあまり丈夫ではなかったが、これ程頻繁に見舞われた覚えはない。

一つには南国の暑い気候を甘く見て、薄着で過ごしたせいもあるだろうし、気候や環境の変化が災いしたのかもしれない。

とにかく、周りの台湾人が平気でピンピンしているときに、日本で培われた免疫が弱いせいか、私だけが風邪をひいた。

日本の薬は入手しやすいが、基本は水

街には薬屋があり、日本のバファリンやコンタック、龍角散等も楽に入手できる。

身近にある薬局で日本の薬がいつでも買える環境は心強く、台湾にいても安心できる。

少し調子が悪い時にはお世話になってもいいとは思うが、ほとんどの台湾人は、風邪をひいたと聞くと、先ずは休養と水を飲むよう勧めてくる。

しかも、大量に飲めと言う。

どうやら水分補給と発汗させるのが目的のようである。

しかし、水と言っても、台湾の水道水は飲用には使われないので、煮沸した水道水やコンビニとかで買えるミネラルウォーターを飲むことになる。

寒い冬にも体が暖まるショウガ湯

上記の水以外では、我が家の場合、妻が必ず『薑茶(ショウガ湯)』を作ってくれる。

まず、生姜をまな板に載せ、重い鉄製の中華包丁の腹で叩き潰す。次にその生姜を水の入った鍋の中に放り込み、更に赤砂糖を加えて、ぐらぐらと煮立てれば、出来上がる。

薑茶は、発汗を促すらしい。また、冬の寒さを吹き飛ばしたいときにも良いようである。

再生すると音が出るので注意

参考画像(出典:YouTube)

お粥は食べずに、あくまでも普段どおりに食べる

日本で風邪をひくと、お決まりのようにお粥が出てくる。

しかし、台湾では朝食にお粥を食べることはあっても、病気の時にはお粥は食べない。

お粥は、あくまでも普段の食事の一つなのである。

また、病気になった特典のような何か食べたいものがあるかと聞かれることも少ない。

更に、食欲がないのを見かねると、とにかく何か口にしないといけないと、普段の時のように御飯が茶碗に盛られるだけである。

抵抗力を落としてはいけないということらしい。

番外編のアドバイス

さて、風邪の症状の中でも頭が割れんばかりの頭痛ほど辛いものはない。

眉間に縦皺を寄せ、苦痛を訴えると、時には妻から次のような、とっておきのアドバイスを賜わることがある。

『撞牆死掉好了』のように「頭を壁に打ちつけてみたら」とか、『去跳樓算了』のように「ビルからダイブしたら」等々である。いずれも日本語に直訳すると、上記の日本語訳から更にもうひとランクが上がってしまうので、あえて書かないが。

なるほど、頭が怪我する苦痛を考えれば、頭が割れそうで割れない頭痛など大したことではなくなる。

妻には『謝謝你的好意』「ご好意、どうもありがとう」と言っておこう。

病気の時に笑うこと。これも良薬の一つかもしれない。

近年の台湾では、これまでに増してインフルエンザ・ワクチンを接種する人が多くなったようである。予防できることなら予防に注力する傾向にある。