[1990年代の台湾] 台北人も羨む台中の気候とのんびりさ

台湾中部に位置する台中は、田舎と文化の香りがする都市である。台北や高雄から気軽に来られるが、中間という場所柄か日本人ツアー客はランチのついでに立ち寄る通過点という位置づけの様相である。

位置

台湾は縦長で、台中は西側の真ん中あたりにある。北部に台北、中部に台中、南部に高雄といった具合である。都市の規模は、一位に台北、二位に高雄、三位に台中である。丁度、名古屋のようである。しかし、政府の心臓部の省議会は台中にある。

台中は、地図では海に近いように見えるが、台中駅を起点にした場合、バスに一時間以上乗ってようやく海に着くが、地元民はほとんどそれに関心がない。

台中の気候と土地柄

台中は、気候温暖にして、一年を通して陽光豊かである。台北はぐずつきやすい天気の商業都市で、高雄は住みにくそうな工業都市だ。そんな台湾一、二位の都市に比較対照される三番都市台中は学園都市。いや、文化都市と言ったほうがいいかも知れない。大学などの教育機関も多く所在する。台北から台中に仕事でやってきた人は、同じ台湾に住むなら台中が良いと幾度となく聞く。しかも、本当に台北から台中に移り住んだ人もいる。

田舎の良さを残した都会

台中は、近代化された台北と異なり、どことなくのどかである。地元民の歩くスピードも台北と比べるとゆっくりしていると、皆が笑いながら紹介してくれる。台中での暮らし向きはのんびり長閑だ。

台中の中心部から30分くらいバスで移動すると、田園地帯にも行ける。観光地では、日月潭や谷關溫泉にも気軽に行ける。

日本人ツアー観光客は、バスで台中にやって来ても、昼食と、寶覺寺(多くの日本人が葬られている)の黄金色に輝く笑顔の大仏様を参観して、日月潭の方に行ってしまう。

行き方

台北から手軽なバスで3時間30分くらい、電車なら2時間30分くらい。高雄からならもう少し早く着く。桃園空港からは直通バスで2時間30分くらい。いずれにしてもバスの本数が多く、気軽に来られる。