台湾で食べる不思議な和食。それって本当に日本料理なの?

日本っぽいけど全然違うじゃない。これって詐欺?

台湾で目に触れる和風料理を食べた人の不満や疑問に応える記事になっています。

なぜなら、台湾で異質な日本に触れて、驚いたり面白がったり憤慨したりするだけで旅を終わらせるにはあまりにもったいないからです。

記事では台湾で遭遇する確率の高いであろう事例を挙げた後、その根底には台湾人の日本愛があることを解説します。

この記事を読み終えることで、台湾人に対する理解が進み、台湾で過ごす時間がより良いものになることでしょう。

街で見かける日本語は怪しい

街を歩いていると、いろいろな日本語を見掛ける。

「味覚は新しく体現している」

「伝統的なぼったくりの美味しさを伝えたい」

池に立ち寄れば、ひっそりと置かれた自販機に平仮名が使われていたりする。

「の」を使うだけでオシャレに見える?

「魚の料」

コンビニに入れば、「麦のパーブゥコーン」が陳列されている。

ポップコーン?

―はい 笑

見た目は和風なのに食べるとびっくり

誰かみそ汁に砂糖入れたでしょ

日本料理店じゃなくてもみそ汁を出す店が多く、だいたい甘いことが多い。

台湾でも味噌が製造されていて、その台湾製の味噌が甘口ということです。

おまけにダシに使ったかつお節がみそ汁に入ったままになっていて、みそ汁を飲みながらすっかり味の抜けたかつお節を口の中でくちゃくちゃと噛むことになります。

お薦めな場所
味噌のテーマ館
名称: 台灣味噌釀造文化館
住所: 台中市豐原區西勢路701號
営業時間: 9時~17時

刺身にワサビ

刺身が好きな台湾人は多いです。

みそ汁同様に日本料理店だけでなく、例えば海鮮料理店等でも注文でき、結婚披露宴などにも出てきます。

ワサビは多ければ多いほどワサビらしい

刺身が盛られた皿にワサビもどっさりと盛られます。

大体が粉ワサビ由来のワサビです。

醤油皿にワサビを大量にとって醤油を加えてお箸でグルグルかき混ぜると、多量のワサビでどろどろになったワサビ醤油の完成です。

そして、それに刺身を浸して食べます。

あまりの刺激の強さに口を押さえ、顔を赤くして涙を流す人もいます。

ワサビは少しだけでいいと進言したことがありますが、辛くなければワサビではないという趣旨の返答をもらいました。

辛い時には涙をこらえて食べるのが台湾流です(※「からい」と「つらい」の漢字は同じですね)

人生論? 笑

台湾でも冷奴は普通に食べられる

台湾には大豆製品が多いです。

豆乳は代表選手ですが、豆腐もまた多く、鍋料理にもすまし顔で入っていますし、冷奴としても度々登場します。

冷奴で登場する時にはかなりの確率でピータンが添えられています。

冷奴は醤油をかけて食べるのですが、これが甘いのです。

はい、台湾の甘口のたまり醤油です。

天つゆ付の天丼

日本の天ぷらが好きな台湾人も多いです。

妻と近所の日本料理屋に行ったときに、私は天ぷら定食、そして、妻は天丼を頼みました。

天ぷら定食に天つゆが付いてくるのは普通ですが、天丼にも天つゆが付いてきました。

店主によると、天丼の天ぷらも天つゆにつけて食べてくれということでした。

確かに、どんぶり飯の上に天ぷらが乗っていれば天丼ですね。

天つゆ付きの天丼は、この店独自のものらしいですが、特別な事例として記述しました。

枝豆にビール

キンキンに冷えたビールに枝豆の組み合わせは日本の夏の風物詩。

どちらも簡単に調達できます。

油にまみれた枝豆はうまい

紅茶専門店のメニューにすら『毛豆』(枝豆)があるほどで、簡単に調達できます。

しかし、塩ゆでではなく、仕上げに油と漢方の調味料と一緒に攪拌されているので、枝豆を食べると指がよごれます。

でも、おいしいです。

ビールはやっぱり台湾ビール

ビールはコンビニや、路肩で営む屋台でも気軽に買えます。

しかも、つい何本も買いたくなるほど、いろいろなフレーバーがあります。

街の食堂やレストランでは定番の台湾ビールにはなりますが、気軽に飲めるので重宝します。

但し、生ビールがある店で注文すると、氷入りのジョッキビールが出てくることもあります。

うん、確かに清涼感が増すのですが。

台北にも台湾ビール工場(台北啤酒工場)があります。前身は「高砂麥酒株式會社」です。
バンド演奏ありのビアホールを併設
名称: Super 346啤酒文創館
住所: 台北市中山區松江路25巷40號
営業時間: 16時30分~22時

甘いマヨネーズ

ゆでたたけのこにマヨネーズがかけてある料理がよく出てくるのですが、そのマヨネーズが甘口です。

日本のマヨネーズにすっかり慣れてしまっていると、初めて食べる甘口マヨネーズに思わずフリーズするほど。

もっともマヨネーズはそもそも日本のものではないので、文句は言えませんね。

ただ、癖になると無性に食べたくなる時があります。

魔性の甘口マヨネーズ? 笑

根底に日台の歴史と日本びいきがあるがゆえ

台湾で和風の料理が出されると、つい期待してしまいますが、食べてみたら全く違っていてがっかりすることも多々あります。

人間ですから、失望の次には不機嫌になるのもわからないではありませんね。

歴史が紡いだ和風料理

和風こそあれ日本食でないなら、何も目くじらを立てる意味がなくなります。

なぜなら、日本に統治されていた時代の料理が姿・形を変えながら土着した可能性があるからです。

だからこそ見た目は和風だけど食べたら違うものなのでしょう。

そう考えると、出される料理が和風なのも頷けますし、現在に至るまで嫌悪や破壊されることなく引き継がれたことに感謝です。

純粋に日本が好き

台湾には日本をとてもよく理解している人々もいますし、日本に一度行ってすっかり魅了された人々もいます。

なかには一度も行ったことがなくても好きという人々もいます。

そういった人々が和風の料理を作っている可能性もあります。

従って、多様な表現方法があってもいいと思われます。

日本をダシに商売する人も

日本人気にあやかって商売する人もいます。

しかし、こちらも許容範囲であると考えます。

商売は自由ですし、彼らも生活する権利があります。

逆に言えば、台湾が反日ムード一色になり、日本色を出すと商売が立ち行かなくなることにでもなったら、日本もおしまいかと。

まとめ

甘いみそ汁、てんこ盛りのワサビ、甘い冷や奴が出てくるが、どんな味付けでもそれが外国で食べられるなんて考えようによっては贅沢であり、幸せなことです。

また、台湾人が日本を自由に表現するのも彼らの自由です。

むしろ日本人が喜んでくれると思ったのに逆に残念な顔を見せれば台湾人はさぞがっかりすることでしょう。

枝豆にビールという組み合わせも手軽にできるのだから、マヨネーズが多少甘くても、街中に怪しい日本語が氾濫しても許せます。

重要なのは、台湾人が喜んでくれるのが一番です。

それこそ日本人冥利に尽きるものだと思います。

味噌、醤油、豆腐等々、日本統治時代から製造されています。

そして、台湾人が更に日本を好きになってくれるなら日本人としてこの上なく嬉しい限りです。

最後になりましたが、

狗沒捏(ごめんね)

↑音訳です。 笑

それでは、よい旅を! 『旅途愉快!』