[1990年代の台湾] 台湾の各都市間の移動に適した鉄道

台湾では汽車を『火車』と言う。電車、列車はそれぞれ『電車、列車』である。ここでは、鉄道(『鐵路』と言う)全般について記述する

ちなみに自動車は何故か『汽車』と言われる。

台湾鉄道の区間と種別

日本統治時代に鉄道が敷設され、 現在はこれまで難所と言われていた台東から高雄までの区間も開通して台湾を一周できるようになった。 そして、台湾の主要都市を結んでいる。しかし、小さな町を結ぶ近距離移動については、本数が少なめで、不便であり、台湾の鉄道はむしろ中長距離の移動に適している。但し、バスや自動車と比べればその安全性は高い。

列車は大別して5種類あり、速い順から『自強號』→『莒光號』→『復興號』→『快車』→『普通車』となる。普通車は各駅停車で、それ以外は特急や急行等である。

鉄道切符の買い方

切符を買う際、当日乗車券と予約販売乗車券とは券売窓口が異なる駅もある。その場合、当日券は『當天』、予約乗車券は『預售』とそれぞれ表示のある窓口で購入する。なお、予約券は三日前から購入が可能だが、乗車日が休前日や休日だとあっと言う間に完売するときもあるので注意。

特急や急行に乗る場合、乗車運賃の他に特別料金が加算される。また、原則として座席指定だが、『站票』という座席のない乗車券も購入可能。この切符は立ち席なのだが、値段は座席指定の乗車券と全く変わらない。

快適な列車内

列車に乗り込み、指定席に向かうと既に先客が座っている。映画館と同じである。台湾ではこういうことは普通に起きる。たいていは切符を見せれば解決する。

特急の場合、シートの座り心地がよく、前席との間隔も足を伸ばせるほどゆとりがあり、足元にはフットレストも付いている。おかげでリクライニングシートも後ろ座席を気にせずに倒せる。車窓は大きく景色が見やすい。但し、車内全体はうっすらと汚れている。

たくましいワゴン販売

やがて車内販売のワゴンがやってくる。日本では通常は通路を押してくるのだが、台湾では引いてくることがある。 ワゴンには弁当、飲物、つまみ類が積まれている。

ワゴンを引く理由は、混雑時によくわかる。通路に立つ乗客や床に置かれた荷物をかき分けながら進むには、ワゴンより前に販売員がいると好都合なのである。そんな頼もしい販売員のほとんどが女性である。

定番の弁当

台湾のどこを走る列車で弁当を買おうが、全国統一の一種類のみで、蓋を開けると、ぎっしり詰まる白飯に台湾風の豚かつ、ソーセージ、漬物、茶葉の煮卵が半分入っている。幾十年もの間、全く変化なしの定番らしい。

しかし、あまりにも代わり映えしないという声を受けて、一時期に数種類の弁当を製造したが、売り上げはよくなかったらしい。

私自身は、定番ではなく鶏もも肉が入った弁当を買って食べたことがあるが、やはり皆に支持されるだけあって、確かに定番弁当の方が旨いと感じる。しかも、安く、飾らないところも万人受けしているような気がする。

夏でも長袖服を用意

台湾の夏は長い。車内は寒いほど冷房を効かしている。暑い屋外から乗車した直後はひんやりしていて気持ちがいいが、薄着のままでしばらくすると体の芯まで冷え切るほど寒くなる時がある。 そこで体を冷やさないように長袖の上着を一枚用意すると便利である。最適なのは、ウインドブレーカーである。これなら冷気を通さないし、コンパクトに畳めて軽い。体調を崩さないように夏場こそ必要である。

現在は、在来線だけでなく、台湾の西側を南北に新幹線も走っています。それだけ近代化されたのですが、在来線の車両まで比較的新しい車両が増えてしまったようで個人的には少し残念です。