[1990年代の台湾] 自然体の台湾人

日本人にとっては当たり前のことが、台湾では違う。頭ではわかっていても、いざ直面すると、理不尽さを感じてしまう。また、見方によって評価が異なってくる。

台湾人は、大雑把に見えるが、視点を変えればとても大らかで付き合いやすい人々である。それほど飾らず、素朴なのである。

台湾人気質

台湾に来た日本人のうち、台湾が嫌いになる人もいる。友人の父親がそうだった。話によると、サービスが悪いと言う。

確かに思い当たる節がある。例えば、前述のデパートは使い勝手はいいが、笑顔も返事もない不愛想な店員、おつりの渡し方が雑な店員、同僚と話し込んで客が目に入らない店員などは普通に見かける。

台湾は民主主義で、ヨコ社会の傾向が強い。まことに伸びやかだが、自己中心になりやすい。また、金銭を重視しがちである。こう考えると、店員はサ-ビスの質の向上より目先の利益に気を取られたとしてもうなずける。客が来て、商品を買っていく。これ以上もこれ以下もないのであろう。

但し、日系デパートは、社員教育に力を入れているようであるが、苦心しているようでもある。

乱暴に聞こえる言葉

サービスが悪い印象を与えかねないものに言葉がある。台湾では、主に中国語と台湾語が使われる。どちらも特徴はイントネ-ションにある。日本人にはけんかをしているように聞こえると聞いたことがある。確かに抑揚のメリハリが富んでおり、そう聞こえてしまうのだろう。静かに丁寧になだらかに話す日本語を聞いて育った日本人には無理もない。

日本に留学した台湾人が面白い話をしてくれた。

留学生活を終え、台湾に帰国して間も無く、友達に体の調子を心配されたそうである。その友達によると、話す声が小さいので、体が不調だと思ったらしい。

日本では控え目に声を押えて話す人が多いのに対して、台湾では周囲を気にすることなく自由に話す人が多い。声量にブレーキがかかっていないのである。

気の利いたサービスも笑顔もなく、語調も荒く、声も大きい。これでは、前出の父君が憤慨したのも無理からないことかもしれない。

血液型も国民性に影響する?

血液型が性格に与える影響について、台湾人は、興味をそれほど示さない。占いに見てもらう人は多いが、血液型占いはほとんど聞いたことがない。

ちなみにちなみに台湾人はO型が一番多い。日本人にA型が最多というのと対照的である。

O型は、大らかで楽天的な方が多いようである。そう考えると、台湾人に対する見方も変わるかもしれない。

現在ではサービスがよくなったよと言いたいところですが、日本のような画一的なサービスは求められないです。台湾人は平均値を求めるのではなく、個性を求めているのかもしれません。店員さん一人一人それぞれのサービスがあります。