[1990年代の台湾] 下校や退勤後の食道楽

台湾人の間でも海外旅行が大流行。人数も年々増加の一途を辿る。彼らの行き先の多くはアジア圏で、日本も人気の的である。顔見知りの台湾人が日本から帰ってくると、ニコニコと笑みをたたえて寄ってくる。そんな方々の土産話を拝聴すると、誰もが日本の夜は静かだと口を揃える。確かに店が閉まるのが早い。

台湾の宵は長い。デパートも商店街も夜十時頃まで営業している。余裕で仕事帰りに立ち寄れる。

一日三食では足りない

台湾人には一日四食の人が大勢いる。中には一日五食の人もいる。朝昼晩で三食、おやつ代わりに更に一食、そして、夜食の一食が加わるからである。

台湾と言えば屋台。車道の両側にずらりと並ぶ屋台群。そこに車道にまではみ出しながら歩く人々。賑わいは夜中まで続く。

そんな屋台店は、路上だけでなく、デパートにまである。『小吃街』と表示されるそれは、小さな飲食店がひしめき合ってワンフロアを占有するフード・コートであり、さながら屋内にある屋台街である。『小吃』の和訳は「軽食、スナック」である。夕方にはアイスクリームやジュースを手に学生たちが集まる。『外帶(テイクアウト)』もできる。そして、夜には食事に訪れた家族連れで賑わう。

現在でも台湾人は食道楽です。台湾人にとって食は元気の源なのでしょう。それとも、台湾にはおいしいものがありすぎて、どんなに食べても食べきれないのかもしれません。