[1990年代の台湾] 夜まで活動的なのは、昼寝のおかげ

台湾は、朝から、晩を通り越して夜中まで賑わい続ける。街も人も活動的なのだが、昼は暑さも手伝ってか、人々は昼寝に耽り、昼下がりの街は意外にひっそりとしている。

夜猫族

台湾人は、一日四食以上食べる。夜食を食べる人が多いからだ。

夜食を求めて外に出ると、屋台に人々が群がって、テイクアウトする人達や屋台の傍らで食べる人達、せわしなく動き回る屋台の店員達で賑わっている。

また、屋台の傍を楽しそうに談笑しながら歩く人達、そして、酒を飲み歩く人達が行き交い、彼らの賑わいは、午前零時を過ぎても衰えない。

一方、同じ時刻の家庭では24時間放送のCATVに見入る大人達に、ファミコンに熱くなる子供達がいる。

台湾人は、宵っ張りの人を『夜猫族』と呼ぶ。彼らの夜は一体何時になったら更けるのだろう。

そして、台湾の朝も早く、7時には道路は混雑し、クラクションが鳴り響く。

元気の源は、昼寝かもしれない

一体何が朝も夜も台湾人をこんなにも元気でタフにさせるのだろう。その答えの一つは、昼寝にあるかもしれない。

台湾では、昼寝は習慣である。正午になれば、銀行や郵便局を除いて、役所や会社は昼休みになり、仕事はしない。昼食後、14時まではオフィスを消灯して、机に伏して昼寝する。園児、児童、学生も昼寝の時間である。昼間なのに街から賑わいが消え、この時間ほど街が寂しく見えるときはない。

台湾に来た当初、皆が昼寝する姿を見たときには怠け者の国に迷い込んだような気がしたものだ。しかし、暑さはただでさえ体力を消耗させる。台湾人にとって、昼寝は暑い昼をやり過ごす知恵なのだろう。 昼寝から起きてバイタリティ-を取り戻した人達は、そのまま夜中まで元気一杯である。

現在も台湾人はよく食べ、よく遊び、そして、昼寝も健在です。台湾は、やっぱり暑いです。暑いと体力の消耗も激しいようで、昼寝は合理的です。台湾が暑い限り昼寝の習慣はなくならないと思います。