[1990年代の台湾] 男女平等

台湾はまだ男尊女卑であると台湾人から聞かされることがあるが、私から見ると、男勝りの女性が多いような気がする。

街中で見かけることもある強い女性達

ある日、街中で、女性一人に男性四人のグル-プが言い争いながら歩いていた。身なりから会社員らしいが、特に女性が多数の男性相手に堂々と意見を主張していたのが印象的だった。

また、夜間に車の衝突事故を目撃した。車の主はそれぞれ、三十前後の女性一人と、四十過ぎの男性二人。双方、車を降りて、路上で口論と相成った。突然、男がダッシュボードからハンマーを取り出すと、女性の車に振り下ろすと、乾いた音がした。それでも、女性はたじろぎもせずにますます怒り心頭に声を荒げた。

仕事の上でもたくましい女性達

大体が自分を前面に押し出してアピールするくらいの積極的ではつらつとした女性が多い。台湾社会では女性も能力次第で大いに活躍できる場が多いのだろうか。男性社員より高給のOLもいるし、女性役員や女社長も多い。

私は男性でありながら女性に励まされることもある。私が意気消沈していると、「どうしたの?頑張ってよ。」とニコニコしながら肩をぽんと叩かれたりする。これには我ながら情けなさを感じ、余計に気が滅入ってしまうが、とにかくやたらと強い女性をよく見かける。 台湾の上下関係は、お互いの譲り合いからできるものではなく、単純にどちらが強いかで決まる傾向がある気がする。そのせいか、台湾にはしとやかな女性はちょっと少ないようである。