[1990年代の台湾] 高校生

台湾の学生は、風紀を守りながらも自由に生活する者が多く、皆仲良く過ごす傾向にある。

学生のいで立ち

高校生は、カーキ色か紺色の折り襟の制服を着て、白ワイシャツにネクタイ、そして、肩掛けのズック布の四角い学生鞄が腰まで下がる。

(台湾の学生鞄もアマゾンで買える 笑)

学生の着衣や持ち物は統一されているが、頭髪はよほど奇抜でなければ概ね自由である。ソフトパーマや淡色の染髪なら許容されているようだ。

ハイテクな学生

そして、ポケットベルを持つ学生もいる。お互いを呼び出し合ったり、相手のポケベルの液晶表示盤に伝言を送ったりして楽しむ。大人達は目くじら立てて騒ぎ立てず、気に掛ける様子もない。そんな自由な環境に育つ学生達は伸び伸びしている。

父母達が天空海闊なら、子供達は天真爛漫。傍の目には親子関係は上手くいっているように映るが、辛い見方をすれば放任気味のような気もする。

放課後の行動は種々雑多

太陽が西空に傾いて、影がぐんと伸びる黄昏時、連れ立って下校する学生達で、駅やバスターミナル周辺は混雑する。

学校には放課後に居残るクラブ活動はない。

学校や駅附近のファストフード店は教室からお喋りの場を移した学生達でぱっと華やぐ。それを横目に家路を急いだり、塾へ通って補習授業に励んだり、ゲームセンターで屯したりと、夕暮れの街中には高校生達の素顔が現われる。

その一方で、アルバイトに精を出す子達もいる。一昔前なら、家計を助けるためだったろうが、豊かな今日では自分のお小遣いを稼ぐためも多いようである。

しかし、小遣い稼ぎが高じて、深夜に酒が絡む場所に出入りする学生達も出てくる。ここまで来ると、学生のアルバイトに単純に感心してばかりいられない。

スクーターは人気が高い

物が溢れる社会で現代っ子達が欲しがるものは国の分け隔てなく大同小異である。台湾の若者が欲しいものとして、CDプレーヤー、パソコン等が挙げられるが、筆頭にはスクーターが挙がる。

台湾では自動二輪は16歳から、自動車は18歳から運転できる。高校在学中に、スクーターやオートバイに乗る者も多くなる。

また、マフラーを改造して大音響を響かせながら単独で疾走するのもいるが、暴走族のように集団でジグザグ走行して周りに迷惑をかける運転はほぼ見かけない。

素直でナイスな学生が多い

時には校内でいじめや喧嘩が起きることはあるが、台湾では必ずと言っていいほど友人や教師が仲裁に介入してなだめられることが多い。また、教師に振るわれる暴力も少ない。台湾は『教師節』という国民の祝日があるくらい、先生は生徒や父兄に敬われる風潮がある。

また、日本が好きと言ってくれる高校生も多く、家庭では祖父母から日本のことをよく聞かされて育ったらしく、話していても感覚的に近い感想を持つ。そんな高校生と話していて、話題が日本のことになると、志村けんの真似をしておどけてくれたりするほどで、総じて親日的な印象を受ける。

現在もナイスな高校生は多い印象です。そんな若者達がこれからの台湾を支えていくと思うと、台湾の未来は明るいです。

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